2015年1月11日日曜日

『子どもの本の選び方』

子どもの本の選び方
子どもの本の選び方

子どもの本(絵本~児童文学)の選び方・与え方についてかなり具体的・実践的に書かれた本。

筆者曰く、刊行される子どもの本の四分の三を占める「悪い本」の見分け方を中心に書かれている。(悪い本の例:古典・名作のダイジェスト版や、いい加減に省略された民話・伝記などが中心。)

その良し悪しの基準は、「子どもが本当に楽しめるかどうか」。冒頭にある通り、子どもに本をすすめる理由はそれが外で遊ぶことやテレビとも同様に「楽しみ」「喜び」であるからとのこと。

だから、読書を教育と結びつけて強制することでかえって子どもが読書嫌いになる状況を憂えている。しかし長期的には読書に教育的効果があることは付け加えられている。

子どもの本の選び方として下記12項目が具体的説明とともに挙げられているのと、長く読み継がれたものは子ども自身が評価したものとして推奨されている。そして選ぶ目を養うには、目安として200冊の実物に目を通すといいとのこと。

(参考までに。子どもの本の選び方 12項目)
  • 「書き出しに注意する」
  • 「さし絵をみる」
  • 「安すぎる本には手を出さない」
  • 「有名人の監修・推薦は要注意」
  • 「全集形式の古典・名作は要注意」
  • 「古典・名作は「あとがき」「解説」を読む」
  • 「年齢対象の低い古典・名作は要注意」
  • 「年齢対象の低い伝記は要注意」
  • 「無署名の本は要注意」
  • 「いい本はオリジナルな本の中にある」
  • 「作者名やシリーズ名をおぼえる」
  • 「本の紹介や「ブックリスト」の活用」

また子どもへの本の与え方として、読み聞かせや、その逆に子どもが親に本を読む形式もすすめられている。また「動機づけ方式」と銘打ち(今でいう「ブックトーク」のこと?)、本の内容や面白さを大人が子どもに紹介するやり方も示されていた。

本好きになるかどうかというのは、本の楽しさを知るきっかけの有無にあると思うが、「何を」より「誰に」薦められるかというのは大きい要素だろうなー。



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