2015年8月23日日曜日
『絵本をよんでみる 』五味太郎著
絵本をよんでみる (平凡社ライブラリー)
この本はすごい。
久々に、次々読みたい、でも読んでしまうのがもったいない、と思う本に出会いました。
13冊の絵本を、五味太郎さんが、小野明さんという方と対談形式で深く「よんでみて」いる本です。
絵本の描かれていない部分をよむ、というのは、みんな多少はやっていることと思いますが、そのよみが深すぎて深すぎて、全身・全力でぶつかっている感じです。
登場人物の来し方、人生、普段の過ごし方(笑)、職業、関係性、本音…などが、五味さんのフィルターを通して考察されていています。
特に、アーノルド・ローベルの『ふたりはいっしょ』がまくんとかえるくんと、同じくローベルの『ふくろうくん』の考察にはうならされるとともに、笑いました。
がまくんとかえるくんは老人もしくは子ども、二人は友情ごっこをしている?というネタや、ふくろうくんは読者の視点を意識したうえでの行動をとっている?など・・
他の絵本にも同様に、深くメスがいれられているので、ぜひいろんな人に読んでみてほしい本です。
絵本も本も、どう読むかは読む人のもつ厚み・深み次第なんだなあ…と思わされました。
絵本の感想、というより、絵本を引き金にした五味さんの思索・哲学が書かれているような感じです。
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