2021年5月30日日曜日

『三つ編み』 レティシア・コロンバニ(著/文)

レティシア・コロンバニ(著/文)
齋藤 可津子(翻訳)
発行:早川書房

この小説は、とても力強くて、壮大。
インド、カナダ、イタリアの地で、それぞれ苦境におかれた三人の女性が、苦しみに立ち向かっていく様子が描かれている。

3人の状況は、実際に自分に近いというわけではないけど、つらい状況に置かれたときどうするか、という意味では、自分も勇気づけられた。
3人を支えているのは自分の信念で、その信念を支えているものもそれぞれにある(誇りだったり、神だったり、愛だったり。というように見えた)。
信念を持ち、希望を持つことの強さが描かれていた。

社会的に不利な立場にある場合、その立場から脱するためには、すごいエネルギーが要る。
自分が欲するものや、なりたい状態を明確にして、それを手にするための行動を起こす必要がある。
時には他人を説得したり、他人の行動を変えさせたりする必要もある。
ほとんどの場合、誰かが自分のためにそれをやってくれることはないから、不利な立場にある自らが、力をふりしぼって、立ち向かわないと事態は解決し難い。

最近は、これまでそんなに読まなかった海外の文学作品が気になる。
旅行にも行けないからか、身近すぎるものより、違う世界を見たい欲が高まってるのかもしれない。
その時々で、読みたい本が違うのはまったく違うのは面白い。