2019年2月10日日曜日

好きな絵本


8年子どもと絵本を読んで実感したことのひとつに、子どもと楽しむために絵本を読むなら、自分が好きな絵本を読むことがかなり大事、ということがあります。
絵本を読んであげる時は、読み手の感動や熱意も子どもに一緒に伝わる、と松居直さんも書かれています。(『絵本とは何か』)

で、絵本をたくさん見てきて、確かに好きな絵本とそうでもない絵本があります。
古く読み継がれている絵本を好きと思うことも多いですが、必ずしもそうでもなく、やっぱり絵本と読む本人(タイミングによってもきっと違う)の組み合わせなんだなぁと思います。

自分の好きな絵本(一部ですが)を書いておこうと思いました。

はなのすきなうし
作:マンロー・リーフ  絵:ロバート・ローソン  訳:光吉 夏弥  出版社:岩波書店  発行日:1954年12月10日

絵は白黒だし、かわいい絵でもないですが、とても心惹かれる絵本です。
のんびり自分の好きなことをする牛も、その子どもをそのまま見守るお母さんも素敵だなぁと思います。
野原に点々と咲く花の絵の描写がきれいで、余白の大事さも感じられます。

モチモチの木
作:斎藤 隆介  絵:滝平 二郎  出版社:岩崎書店  発行日:1971年11月20日

主人公の豆太の育ての親である「じさま」の、名台詞に感動して、時々読んでしまう絵本です。
切り絵が美しく、それぞれのシーンに合った色調や雰囲気で描かれています。
子どもが自分の弱さを乗り越えて一歩前進するところが描かれていて、読んで満足感があります。

8年間の間には、子どもには自分の好みだけじゃなくていろんなものに触れてもらいたいなーと思い、あえて、自分の基本的な好みとは違うタイプの絵本でもいいなと思うものを探して買ったり、親戚からもらった絵本を読んでみたりしてきました。そういう中からも、たとえば↓のように積極的に好きと思うものもできて、よかったと思います。

しちどぎつね
作・絵:田島 征彦  出版社:くもん出版  発行日:2008年04月

落語絵本。かけあいが面白くて、声に読んで出したときはすごく楽しいです。
絵は味があり、滑稽さ、恐ろしさなど、それぞれのシーンの雰囲気がよく出ていて、物語の面白みを増してくれています。


やまこえのこえかわこえて 
作・絵:こいで やすこ  出版社:福音館書店  発行日:2001年10月

きつねのきっこが、他の動物たちと協力して、お祭りのいなりずし作りをします。ちゃんとお話の満足感を得られる絵本だなぁと思います。
絵を見ていると色々とヒントもあって、楽しめます。
あたたかみがあって、好きな絵本です。

自分の「好き」を追求しつつ、他のものにも目を向けて、自分がそれも好きになったらなおよし、絵本に限らず母親(や身近な大人)が心に響くものが多かったら、子どもにもそれが伝わるのかなぁと思います。

2019年1月20日日曜日

絵本の賞の選定基準

絵本に関する賞の選定基準を知りたいと思い、有名な2つの賞について見てみました。下記のページに賞の一覧があります。
児童文学賞一覧(海外の主な児童文学賞)-国立国会図書館国際子ども図書館
児童文学賞一覧(国内の主な児童文学賞)-国立国会図書館国際子ども図書館


1.コルデコット賞(Caldecott Medal)


概要

  • 1938年に創設。
  • 19世紀英国の絵本作家、ランドルフ・コルデコットにちなんで命名されている
  • Association for Library Service to Children(ALA=米国図書館協会の1部門)により授与される
  • 前年に米国の出版社により米国で出版された、英語の、子ども(14歳以下)のための絵本を対象に選定し、画家に授与される

基準

  • いかにうまく芸術的なテクニックを採用しているか
  • ストーリー、テーマ、コンセプトをいかにうまく絵で表現しているか
  • ストーリー、テーマ、コンセプトにいかに合った方法を採用しているか
  • 筋、テーマ、キャラクター、設定、ムードや情報をいかに描写できているか
  • 子供という読み手をいかに理解して絵を表現しているか
(参照:http://www.ala.org/alsc/awardsgrants/bookmedia/caldecottmedal/caldecottterms/caldecottterms


というわけで、あくまで、絵本においてストーリーやテーマを表現する役割としての絵を評価対象としています。
この賞は教訓的な面や人気を評価する賞でないと断ってあります。

2.ケイト・グリーナウェイ賞(Kate Greenaway Medal)


概要

  • 1955年に創設。
  • 19世紀の絵本画家ケイト・グリーナウェイにちなんで命名されている。
  • 英国で前年に出版された、英語の、子ども用の本を対象に選定し、絵の観点で素晴らしい作品に対して授与
  • CILIP(the Chartered Institute of Library and Information Professionals)により選定・授与される

基準


芸術的な質が高く、刺激をあたえ満足のゆく視覚的経験をもたらし、後に印象を長く残す作品におくられる。評価対象は絵のほうで、テキストに関しては絵との相乗効果が評価される。

  • スタイル:媒体が適切か、クリエイティブで突出しているか、テーマにあっているか、作品全体における質の保持
  • フォーマット:タイポグラフィが適切か、レイアウトが適切か、本のサイズ・形は適切か、表紙・裏表紙・標題紙がうまく利用されているか
  • 絵とイラストの評価:絵が読者の理解を深めているか、レイアウト上で絵とテキストがうまく配置されているか、絵とテキストが一致しているか、絵がテキストを深めているか(単なる装飾でないか)、情報(科学)の本である場合に情報が正確か
  • 視覚的な経験:読者に新たな経験をもたらしたり過去の経験を想起させられるか、異なるレベルの読者に対してそれぞれうまくうったえかける本か、本の美的な質、読者への印象

(参照:http://www.carnegiegreenaway.org.uk/awards-process.php#criteria


(上記の具体的なポイントは、必ずしもすべてのノミネート作品にあてはまるわけではないとことわってあります)
やはり、絵を中心にした評価がなされるようです。

こうやって選ばれた作品を読まなければいけない!というわけではなく、好きな絵本を読んでいいと思うのですが、いずれの賞もストーリーをうまく伝える絵の表現という点で突出した作品におくられるようなので、そういった絵本は一つの世界をうまく作って、多くの人の心を打つのだろうなとも思います。

多くの方の経験に基づいて培われてきた基準を参考にしつつ、自分の感覚もたよりに、これからもぽつぽつ集めていこうと思います。

2019年1月6日日曜日

『学びあう絵本と育ちあう共同行為としての読み聞かせ』赤羽尚美著

この本は、親の視点からも読み聞かせについて書いてあり、また文学的・心理学的の両方の面から読み聞かせについて説明されている本だと知り、読んでみました。
まず、絵本の歴史や、子どもという概念の成立と変化について追ったあとで、絵本の読み聞かせに関連する発達心理学の理論が説明されます。たとえば↓のようなことです。
  • 赤ちゃんは生後2か月目ごろから積極的に人に接触を試みる。その時大人から愛情をもって扱われれば、「基本的信頼感」が身に付く。(エリク・H・エリクソン アメリカの心理学者)
  • 人の精神発達は、まず人との間に現れ、次に個人の心の中で生じる。つまり、子どもは、大人とのやり取りで経験したことを、個人の中でできるようになっていく。(レフ・ヴィゴツキー ロシアの心理学者)
  • 赤ちゃんの言葉の発達には母親との相互関係(母親が、子どもに適切な働きかけをすること)が大事。(ジェローム・S・ブルーナー アメリカの心理学者)

特に興味深かったのは、子どもが絵本などを理解するようになるまでの説明です。
↓のようなステップを経て子どもは直接絵本を理解できるようになると説明されていました。
  • はじめは、子どもは直接絵本を理解することはできない。最初は絵本が大人と子どもの関係をつなげる時期。
  • 次第に、子どもは、絵本を読む大人を通じて、絵本を読むことを内面化していく。
  • 子どもは、大人を通じなくても絵本を読めるようになる。

後半では、読み聞かせに関する親の育ちや、読み聞かせがストレスになってしまう場合などの負の側面にもふれられ、それへの対応が提案されます。
アンケート調査の結果から、読み聞かせをしているほうが育児ストレスが少ない傾向などが示されましたが、一方、4歳くらいで読み聞かせの回数が減ったり終わってしまう場合が多いことや、読み聞かせを無理に行っている人の中にはストレスを感じる人もいる、という結果も出たようです。

筆者は、それに対し、次のようなことを書いています。
  • 調査結果から、親自身の楽しみを絵本の読み聞かせの目的に挙げる親は少なかった
  • 親自身の楽しみとして絵本を読むという意味を見出すことで、読み聞かせが継続できるのではないか

私自身は8歳の娘とまだ絵本を一緒に読んでますが、私自身の楽しみが大きかったからかなぁと改めて思いました。

2018年11月18日日曜日

再読『えほんのせかい こどものせかい』松岡享子著

以前にも読んだこの本、文庫になっていたので、買ってもう一度読んでみました。

(版元ドットコムより転載)

 文春文庫
 松岡 享子(著/文)
 ISBN 978-4-16-790946-8   C0195 文庫判 240頁
 定価 680円+税
 発行 文藝春秋
 書店発売日 2017年10月6日



絵本の持つ可能性、読み方、選び方などについて具体的に書かれた本ですが、「よい絵本」について書かれたくだりでは、絵本のはたす役割について明らかにし、その役割をはたすための「よい絵本」という流れで説明されていたので腑に落ちました。

(以前に、「よい絵本」についてまとめてみましたが、絵本に期待する役割が違えば、その文脈での「よい絵本」はきっと変わってくるんだろうなと思います)

本書によると、絵本は子供にとって、次のような役割を果たすので
  1. 文字でものを考える前の段階として、絵でものを考える段階の手助けをする
  2. 子どもの知識や経験の乏しさを補って、想像力に後ろ盾を与える
  3. 美しいものを見ることができ、しっかりしたものの見方のできる目を育てる

次のような条件があるとよいそうです。
  1. 子どもがお話のすじや作中人物の気持を理解でき、作品全体のムードを感じられるものであること
  2. 知識を補うに足る、正確な絵であること
  3. 子どもに美的満足を感じさせてくれること

具体的な方法としては、次のような順番をとって絵本をみられているそうです。
  1. 子どもの心に近づいて、全体を読む(絵だけを見るといい)
  2. 評価の定まっている古典的な作品と比較して、共通の要素があるかを確認
  3. 前述の3点の条件に照らしてみる

とはいえ、こうやって選んだ本について
「それらの本すべてを、すべての子どもが愛読しなければならないと考えるのはまちがいです。本にも個性があり、子どもにも個性があります。一定のふるいにかけられたよい本の中から、ひとりひとりの子どもが、その子にとってよい本を選ぶことがたいせつなのではないでしょうか。」
とも書かれていました。
子どもに読書や特定の読む本を強制するというより、可能性をはばんでしまわないように、大人は試行錯誤しながら環境を整えていくのがいいんだろうな、と思いました。

2018年9月23日日曜日

絵本を娘と7年読んで

子どもと一緒に絵本を7年読んできました。
それでどうだったか書いておこうと思います。


■何をしたか
  • 毎晩一緒に絵本を読む
  • 気に入った絵本は買う
  • 本屋、図書館に行く
  • 感想を聞かない
  • 読書そのものや読む本を強制しない

絵本についてのいろんな本を読んだり勉強して知った↑のことを実践しました。

■どうなったか

私の実践との因果関係は正直わかりませんが、
今の娘(小2)は、とにかく本好きになりました。

本屋に行ったら最近は占いや怖い話の本ばかり読んでますが、
家にある「モモ」のような字の多い本も読んでいます。

普段の会話の中でも、本の内容が登場することもあって、
読んで忘れていってるわけでもなく結構本人に残っているようです。

本好きだけでなく、話好き、人好きでもあるようで親としてはよかったです。

■自分にとってどうだったか

娘が小さいころ、絵本を読むと機嫌がよくなることもよくあり助けられました。

それから、子供と読書について考える中で自分の読書も反省しました。
自分はこれまであんまり考えることなくどんどん読んで、
自分に残るものが少なかったなぁと思い
その後は同じ本を何度も読んだり、本を読んで考えることも増えました。

今では、絵本は娘と私の一緒に楽しめる趣味になって、うれしいです。
先日も娘と、レオ・レオーニ展にいってきました!


これからも、娘と絵本を楽しめたらなぁと思います。

2018年9月9日日曜日

中高大生のための絵本展に行ってきました

9月1日、絵本100冊の集まる絵本展に娘と行ってきました。

中・高・大生のための絵本展

私も娘も中・高・大生ではないですが…
平和や非核に関する絵本100冊が集められていて、2人でもくもくと、1時間半くらい絵本をよみました。
途中、読み聞かせもしてくださいました。

100冊の中には、知らなかった絵本、読んだことがなかった絵本がたくさんありました。
(絵)本と出会う場所・機会が多くあるのはありがたいです。


読んだ本で気になった本、興味深かった本など↓





絵本という形だからこそ、表現できること、読者に伝わることがあるように思いました。

2017年10月1日日曜日

声の力

もうすぐ3歳の姪っ子に会い、(せがまれて)やはり絵本を読みました。



絵本を読んでいると、姪っ子も、
ごにょごにょと一緒に読んでくれてとっても心が温まりました。

たまたまその前日、朗読教室を舞台にしたドラマを見たのですが、
それを見てもやっぱり、声の力ってあるなと思いました。

9月には、昔話絵本の読み聞かせをしていただく機会があったのですが、
そこでも、声の力にじんわり体と心がほぐれるような気持ちになりました。

絵本や文学作品を誰かに読むって、
その人自身がすごく表れるので、とても難しいことだと思います。
なので、読んでいただける機会があると、底知れない感謝の気持ちになります。

親子だとそんな気構えはいらないのですが、
絵本を読んで毎日声を届けることは、
子供に何か大きい影響がある気がしました。