2014年10月29日水曜日

【おすすめ本】本の声を聴け

本の声を聴け―ブックディレクター幅允孝の仕事
本の声を聴け―ブックディレクター幅允孝の仕事

以前にも、ブックディレクターという仕事は図書館の仕事に似ているなと思ったことがあった。
本に関わる仕事だからという以上に、本の届け方に気を配る仕事だということについて。

この本で幅さんは、本屋は本を手に取ってもらうところまでしかできなくて、どう読むかは読者次第だから、読者に届くための選び方・差し出し方を丁寧に考える ということをいっている。
図書館も一緒で、同じ本でも人により違う文脈で手にとられるだろうけど、いずれにせよ本が届く道筋の手助けができるかどうか・・。

また個人的に本に対する考え方も共感するところが多かった。
たとえば、たくさん読むことや名著を読むことが大事ではなく「本が読んだ人の日常がいかに親密で、日々の生活にどう作用するかの方がずっと大事」とか、
「読んだ本が日常に機能して、面白おかしく毎日を過ごすことが最も大切」という点。

読書自体がたのしみであればそれもよし、知識や情報を得ることで日常が楽しくなればそれもよし、いずれにせよ楽しさとつながるものであればいいなと自分もよく思っている。

ブックディレクターの仕事を支えるのはこの方の量・質ともにすごい読書歴だろうけど、それ以上に本のことをよく覚えているのは「自分という幹から伸びた使用のような感覚で本を扱っている」から、とのこと。
読書の際にちゃんと自分のフィルターを通すことこそが読書の楽しさを増すのだろうと思った。

本を楽しむヒントがたくさんかくされていた1冊でした。

2014年10月22日水曜日

【よみきかせ日記】おでかけのまえに

おでかけのまえに (福音館の幼児絵本)
おでかけのまえに (福音館の幼児絵本)

たしか2歳ごろ、気に入ってよく読んでいた絵本。
もうすぐ4歳の今も十分楽しめるよう。

親子3人でピクニックにいくのを前日から心待ちにして、ちょっとお騒がせの行動もとってしまう、あやこの様子が描かれた絵本です。

同じくらいの子どもを持つ親なら、おでかけを楽しみにする主人公のあきこの行動がいかにリアルかよーくわかる。
これで怒らないお母さん・お父さんにあこがれる・・。

あやこがお人形やリュックをどれだけ好きかとか、ピクニックをどれだけ楽しみにしているかが絵からひしひしと伝わってくる。
だから子どももこの絵本が好きなのかな。

ちなみに娘は、時間を持て余してお化粧をしてしまったあやこを見て、「○○ちゃん(娘)もだめって知らずにやっちゃったことあるよ」と白状。まだまだ嘘はつけないらしい。
しかもよくよく聞いてみるとお化粧ではなく、ピットのりをリップクリームと思って口にぬったことがあるとのこと 笑

よく白状してくれたなぁ。
こうやって絵本で会話がはずむ(?)こともよくあります。

2014年10月15日水曜日

【日記】子育ての原因と結果はわからない。



最近つくづく、娘の語彙力&主張の強さにあらためて感心(と、時々辟易)している。

今の娘はわからない言葉があれば尋ねるということがわかっているし、もともとの語彙がある程度あれば説明がしやすいため、語彙はものすごいスピードで増えていっている。

先日は私が夜の読み聞かせのときに眠くて、半分眠りに落ちながら読んでいたら娘が
「絵本名人!」
と声をかけてきたため、はっと目が覚めた。
「絵本名人」というフレーズを教えたことはないが、「名人」という言葉とそれを使うシチュエーションはこの絵本で覚えたと思う。


言葉の意味&うまい使い方をわかってこのタイミングで発したのには、感心してしまった(親バカ)。

また先日「なんで○○ちゃん(娘)そんなにしゃべるの?」と聞いたら
「だってママが教えてくれるんだもん♪」との回答。
確かに、娘の喋ることの大半は私や夫が教えたんだよな・・。
娘は私の倍くらい喋るけれど。

そんな風に、主張の強い娘になったのはなんでかなぁと考えると、もちろん無数の要因があるだろうけど、私が逐一丁寧に話を聞くようにしていたことと、テレビをあまり見なかったせいもあるのかな?と思う。

私はテレビ絶対反対!という考えではないけれど、2歳まではテレビをあまり見せないことにプロ(医者)も提言を出している(※)などのことを知って、一応ほとんどテレビは見せずに(平均すると1日15-30分くらい?しかも大人が見る番組を流していることがほとんど)やってきた。

娘は今は好きなキャラクターのアニメをたまに見たりするけど、今のところは絵本の方が好きだし、テレビをどうしても見たいという感じではない。

娘の主張の強さを見ると、テレビを見せない子育てはなかなか大変なのかもしれない・・と思うけど、自分にはないものが子供に身についたのはうれしい。私が育てやすい子ではなく、一人で生きていける子になるべくこのままたくましく育ってほしい。(と先日保育園ママに言ったら、「○○ちゃん(娘)十分たくましいよ!」とお墨付きをもらいました。)


※「子どもとメディア」の問題に対する提言」日本小児科医会



2014年10月5日日曜日

【おすすめ本】絵本を抱えて部屋のすみへ


絵本を抱えて部屋のすみへ (MOE BOOKS)
絵本を抱えて部屋のすみへ (MOE BOOKS)


この本は、江國さんが好きな絵本についてとても個人的に語っている1冊でありそれが私には気に入った。

絵本ガイド本は多々あるが、あらすじとか絵の雰囲気、うんちく的なものなど、どれも実際に絵本を読めばある程度わかるものであるし、それなら実物を本屋で見たい。

絵本ガイド本の楽しみは、それを読んだ人がどう感じたか、どう読んだか、それはなぜか、というところにあると思う。

江國さん自身もこのように語っている。

”読書というのはもともとおそろしく個人的な行為であり、だからこそ隠微な楽しみなのだと思う。”

そうそう、と思った。
読書が楽しいものであるのは個人的であるからだ。
でもだからこそ、親が子どもに絵本を選ぶときには、個人的好みにくわえて多様な視点が必要なのかもと思った。
好みを育むには、多様なものを提供することも大事。

またこの本ではこのようにも語られている。

”絵本とは基本的にそういうもの―ひきずらないもの、すぱっと鮮やかに切り取るもの―だと思っている。”

これには同感で、楽しめる絵本というのは突如始まってストーリーが一直線に進む。
たとえば「三びきのやぎのがらがらどん」や、「おおきなかぶ」。余分なものがない。
それを考えると、書きすぎの絵本も多いかなぁと思う。
(これも私の好みの問題だけど。)