8年子どもと絵本を読んで実感したことのひとつに、
子どもと楽しむために絵本を読むなら、自分が好きな絵本を読むことがかなり大事、ということがあります。
絵本を読んであげる時は、読み手の感動や熱意も子どもに一緒に伝わる、と松居直さんも書かれています。(『絵本とは何か』)
で、絵本をたくさん見てきて、確かに好きな絵本とそうでもない絵本があります。
古く読み継がれている絵本を好きと思うことも多いですが、必ずしもそうでもなく、
やっぱり絵本と読む本人(タイミングによってもきっと違う)の組み合わせなんだなぁと思います。
自分の好きな絵本(一部ですが)を書いておこうと思いました。
はなのすきなうし
作:マンロー・リーフ 絵:ロバート・ローソン 訳:光吉 夏弥 出版社:岩波書店 発行日:1954年12月10日
絵は白黒だし、かわいい絵でもないですが、とても心惹かれる絵本です。
のんびり自分の好きなことをする牛も、その子どもをそのまま見守るお母さんも素敵だなぁと思います。
野原に点々と咲く花の絵の描写がきれいで、余白の大事さも感じられます。
モチモチの木
作:斎藤 隆介 絵:滝平 二郎 出版社:岩崎書店 発行日:1971年11月20日
主人公の豆太の育ての親である「じさま」の、名台詞に感動して、時々読んでしまう絵本です。
切り絵が美しく、それぞれのシーンに合った色調や雰囲気で描かれています。
子どもが自分の弱さを乗り越えて一歩前進するところが描かれていて、読んで満足感があります。
8年間の間には、子どもには自分の好みだけじゃなくていろんなものに触れてもらいたいなーと思い、あえて、自分の基本的な好みとは違うタイプの絵本でもいいなと思うものを探して買ったり、親戚からもらった絵本を読んでみたりしてきました。そういう中からも、たとえば↓のように積極的に好きと思うものもできて、よかったと思います。
しちどぎつね
作・絵:田島 征彦 出版社:くもん出版 発行日:2008年04月
落語絵本。かけあいが面白くて、声に読んで出したときはすごく楽しいです。
絵は味があり、滑稽さ、恐ろしさなど、それぞれのシーンの雰囲気がよく出ていて、物語の面白みを増してくれています。
やまこえのこえかわこえて
作・絵:こいで やすこ 出版社:福音館書店 発行日:2001年10月
きつねのきっこが、他の動物たちと協力して、お祭りのいなりずし作りをします。ちゃんとお話の満足感を得られる絵本だなぁと思います。
絵を見ていると色々とヒントもあって、楽しめます。
あたたかみがあって、好きな絵本です。
自分の「好き」を追求しつつ、他のものにも目を向けて、自分がそれも好きになったらなおよし、絵本に限らず母親(や身近な大人)が心に響くものが多かったら、子どもにもそれが伝わるのかなぁと思います。