先日(9月28日 13:30~15:00)、知人の絵本講師(※)の先生に、自宅マンション内の会場で絵本講座を開催していただきました。
というのも私が自宅マンション内を中心に絵本サークルのメンバーを募集中で、マンションの事務局でそのサークル設立のサポートをしてくださっているため、その一環でこのようなことが実現しました。
今回のそもそもの趣旨は上記のようなことでしたが、せっかくの講座なのでたくさんの方にきていただきたいといろいろな方に声をかけさせていただいた結果多くの方がきてくださり、また当日飛び込みの方も予想以上に多くきてくださいました。きてくださった皆様には本当に感謝です。
講座は1時間弱で、参加者に子供が多かったために読み聞かせの実演が当初の予定より増えたとのことでしたが、その中にもはじめて得る情報が満載で、さすが読み聞かせも講座も数をこなされている先生だなと感じました。
いかに冗長にならずにうまく絵本のよさを伝えるのかというのは、今後いつか絵本講座を開きたいと思っている自分にとっては講座を聴講する際の要注意事項となっています。
今日お聞きした内容で印象的だったことは以下のようなことです。
・日本は他国に比べ製本・印刷・流通のレベルが高いため、せっかく日本にいるのならその恩恵をうけると○
・絵本は三度楽しめる。
はじめて読むとき、そらんじて読むとき、字を覚えるとき
・親子での読み聞かせと、集団への読み聞かせはそもそも意図が異なり、それぞれに向く絵本も異なる
先生はお子さんへの読み聞かせも、おはなし会もご経験豊富なため、お話に説得力がありました。
自分は親子での読み聞かせはかなり回数をこなしているとは思いますが、後者は未経験のため、まだまだだという感覚がするのかな?と思いました。
とはいえおはなし会などで読み聞かせをするときこそ、親子で行うときとは異なりテクニックを要すると思うので、勉強が必要です。
ともあれ本日、絵本サークルにご入会くださる方がお一人増え、11月にはマンション内で、メンバーで読み聞かせ実演を行うことになりました!
急展開ではありますが、それにむけて勉強をしていきたいと思います~。
※絵本講師
NPO法人絵本で子育てセンター主催の、「絵本講師養成講座」修了者が取得できる資格。
養成講座では、絵本の読み聞かせを育児にとりいれる大切さについて1年をかけて学ぶ。
2013年9月30日月曜日
2013年8月24日土曜日
米国企業の報告書(10-K, ARS)
米国企業の報告書についてまとめます。
日本では金融商品取引法で提出が義務付けられた「有価証券報告書」が、財務情報やその他の企業情報を調べるのに重要な情報源となっていますが、米国では"Form 10-K"とよばれる報告書がそれにあたります。
提出先はSEC(証券取引委員会)。この提出については1933年証券法、1934年証券取引法に定められています。
この「継続的な情報開示」のうち、年次のものを"Form 10-K"とよび、四半期のものは
10-Q、臨時のものは8-Kといいます。
もともと1929年の大恐慌をきっかけに、SECが設立され、証券市場での不正や詐欺行為防止のため、ルーズベルト大統領のニューディール政策の一環として開始されたとのことです。
また、ARS(=Annual Report to Shareholders)と呼ばれる株主向けの事業報告書は、記載事項は規制されてはいるが10-Kよりも形式等が自由です。日本でもこれにあたる株主向けの事業報告書が発行されています。
10-Kや10-Qなどの提出書類は、以下のサイトから見ることができます。
★EDGAR
このシステムは提出書類の開示だけでなく、書類の提出・審査機能も持っており、1996年から本格運用されています。EDGARは稼働開始当時から現在までの開示書類を見られるようです。社名で検索できるほか、州、業種、前社名等によっても検索することができるとのことです。
日本でも、このシステムに類似したEDINETというサイトが2001年より稼働しています。(EDINETの開示期間は過去5年間)
★EDINET
日本の有価証券報告書については以下のページにまとめています。
http://flowerkayoko.blogspot.com/2012/10/blog-post.html
日本では金融商品取引法で提出が義務付けられた「有価証券報告書」が、財務情報やその他の企業情報を調べるのに重要な情報源となっていますが、米国では"Form 10-K"とよばれる報告書がそれにあたります。
提出先はSEC(証券取引委員会)。この提出については1933年証券法、1934年証券取引法に定められています。
- 1933年証券法:新しい証券発行に対する開示要求。有価証券届出書。
- 1934年証券法:新しい証券発行に対する開示要求とともに、その情報を常に最新のものにするための継続的な情報開示を求めたもの。
この「継続的な情報開示」のうち、年次のものを"Form 10-K"とよび、四半期のものは
10-Q、臨時のものは8-Kといいます。
もともと1929年の大恐慌をきっかけに、SECが設立され、証券市場での不正や詐欺行為防止のため、ルーズベルト大統領のニューディール政策の一環として開始されたとのことです。
また、ARS(=Annual Report to Shareholders)と呼ばれる株主向けの事業報告書は、記載事項は規制されてはいるが10-Kよりも形式等が自由です。日本でもこれにあたる株主向けの事業報告書が発行されています。
10-Kや10-Qなどの提出書類は、以下のサイトから見ることができます。
★EDGAR
このシステムは提出書類の開示だけでなく、書類の提出・審査機能も持っており、1996年から本格運用されています。EDGARは稼働開始当時から現在までの開示書類を見られるようです。社名で検索できるほか、州、業種、前社名等によっても検索することができるとのことです。
日本でも、このシステムに類似したEDINETというサイトが2001年より稼働しています。(EDINETの開示期間は過去5年間)
★EDINET
日本の有価証券報告書については以下のページにまとめています。
http://flowerkayoko.blogspot.com/2012/10/blog-post.html
2013年8月10日土曜日
絵本講座にいってきました(十人十色十日プロジェクト)
今日は知り合いの方に教えていただいた絵本講座をききにいってきました。託児はなしでしたが娘を連れて行ったところ、用意してくださったおもちゃのおかげでなんとかいい子にしていてくれました。
内容は、講師の方の体験談をベースに、子育ての中でどうやって絵本が生かされているかについてのお話でした。
絵本を紹介する本などはたくさんありますが、子育て中の母親が実際にどのように絵本を生活に取り入れ、その結果親子の関係にどんな影響があったかということについて聞くことはそんなにないので、よい機会となりました。
講師の方は3人のお子さんをお持ちで、それぞれのお子さんとのかかわりの中で絵本が重要な役割を果たしてきたということをお話しくださいました。
たとえば絵本が母親としてのメッセージを代弁してくれたり、また絵本がお子さんの本音を引き出してくれたなどの例を聞くことができました。
私の娘はまだ2歳ですが、今後育児で困ったときなどにも絵本は役立つだろうなと確信を深めました。
約1時間半の講座のなかで実際によんでくださった絵本は以下のものです。
他にもたくさんの絵本を紹介してくださいました。
また講師の方は以下の絵本をはじめとして絵本の翻訳をされているとのことです。
講座終了後、娘の気に入った絵本を数冊読ませていただき、満足して帰ることができました。
私は働いており娘との時間が十分もてていないなと思うこともしばしばですが、絵本の読み聞かせをしていることだけはなんとか母親として面目を保てているかな・・と思うところです。今、娘の会話力がめきめき発達しているのをみると、絵本もその一助となったのかなーと思います。
この講座は年間を通して毎月十日に開催されており、以下のページ内に案内があります。
毎回異なる講師の方がお話しくださるそうです。
★十人十色十日プロジェクト(@深江南地域福祉センター)
http://www.kcc.zaq.ne.jp/dfwhu503/documents/nami2013.2.pdf
内容は、講師の方の体験談をベースに、子育ての中でどうやって絵本が生かされているかについてのお話でした。
絵本を紹介する本などはたくさんありますが、子育て中の母親が実際にどのように絵本を生活に取り入れ、その結果親子の関係にどんな影響があったかということについて聞くことはそんなにないので、よい機会となりました。
講師の方は3人のお子さんをお持ちで、それぞれのお子さんとのかかわりの中で絵本が重要な役割を果たしてきたということをお話しくださいました。
たとえば絵本が母親としてのメッセージを代弁してくれたり、また絵本がお子さんの本音を引き出してくれたなどの例を聞くことができました。
私の娘はまだ2歳ですが、今後育児で困ったときなどにも絵本は役立つだろうなと確信を深めました。
約1時間半の講座のなかで実際によんでくださった絵本は以下のものです。
女の子が、赤ちゃんのおとずれを待ち、次第に姉としての自覚を深めていく様子が描かれています。同じことでも見方をかえたらうれしいことにかわるのだなぁとか、何かを乗り越えてできるようになるというのはいいなぁと感じさせてくれる絵本です。
勇気づけられる言葉でいっぱいです。大人が読んでもじーんとくると思います。
もう少し何度か読んでみたいと思いました。自分と一緒の人を求めるのではなくて、自分と違う人を認めていくことで、違いを乗り越えて新たな価値観を生み出していけるのだというメッセージなのかな?と思いました。
他にもたくさんの絵本を紹介してくださいました。
また講師の方は以下の絵本をはじめとして絵本の翻訳をされているとのことです。
講座終了後、娘の気に入った絵本を数冊読ませていただき、満足して帰ることができました。
私は働いており娘との時間が十分もてていないなと思うこともしばしばですが、絵本の読み聞かせをしていることだけはなんとか母親として面目を保てているかな・・と思うところです。今、娘の会話力がめきめき発達しているのをみると、絵本もその一助となったのかなーと思います。
この講座は年間を通して毎月十日に開催されており、以下のページ内に案内があります。
毎回異なる講師の方がお話しくださるそうです。
★十人十色十日プロジェクト(@深江南地域福祉センター)
http://www.kcc.zaq.ne.jp/dfwhu503/documents/nami2013.2.pdf
2013年6月9日日曜日
絵本読み聞かせへの反応 (2歳)
娘の絵本歴も約2年となります。
きっちり決めているわけではないですが、だいたい1日2~4冊を、お風呂前・寝る前などに読むことが多いです。
現在2歳半の娘の絵本への反応を記録しておきたいと思います。
◆気持ちや状況を推察するようになった
登場人物(動物)の表情やポーズを見て、
「○○なのかなぁ」など、推察する反応がみられるようになりました。
特に「くろくんとふしぎなともだち」を読むときは
くれよんたちが表情豊かなので、その表情から気持ちを読み取っているようです。

くろくんとふしぎなともだち (絵本・こどものひろば)
◆言葉と絵の対応
言葉で語られる内容が絵に描かれていないと不自然に感じるようで
「○○はどこ?」と何回も確認しています。
今は言葉と絵が1対1で対応している絵本が向いていて
絵に対して言葉が多い絵本は、もうちょっと大きくなってからでよさそうです。
逆に、言葉のないページにも不自然さを感じるようで、
「ぼく、にげちゃうよ」で言葉のないページを開いてなにも言わないと
「言って」とリクエストしています。

ぼくにげちゃうよ (海外秀作絵本)
◆1人で読んでいることがある
2-3か月前からか、絵本を開いて物語口調で読んでいる真似をしていることがあります。
「~ですが、」とか「けれども」など、文語体の言葉をはさんでいるので
リズムとして身についているのだなーと思います。
この姿はなかなかほほえましくてかわいいです。
正確に覚えているわけではないですが断片的にはあっていることもあり
お気に入りのものは私よりもよく覚えていることがあります。
◆見開きページ
見開きのページのそれぞれに1場面が描かれる場合がありますが
それで見開きに同じ人物(動物)が描かれていると
時間の流れであるとはまだとらえられないのか、二人いると思うようです。
個人的には見開きは2ページで1場面にしてほしいなーと思います・・
◆見立て
これは半年ほど前からですが、絵本に限らず絵でもなんでも
大きいもの・小さいもののセットを見ると「ママと自分」と見立てていることが多いです。
絵本でも親子のことを描いた絵本にはより共感を示していて
「ちょっとだけ」「ぎゅっ」「おでかけのまえに」「しろねこしろちゃん」などは大好きです。
何かの場面で悲しい表情などを見ると「ママがいないのかなー」などと
言っていることも多いです。

ちょっとだけ (こどものとも絵本)

ぎゅっ

おでかけのまえに (福音館の幼児絵本)

しろねこしろちゃん (幼児絵本シリーズ)
娘の場合はちょっと早い時期から物語絵本をよみすぎたなーとの反省もあります。
(無理に読んだわけではないけど家においてあったのでリクエストされ、読んでいた)
読んで弊害があるのかはわかりませんが、あまりにも反応がないのに
長いお話を何度も読んだりするのは親の方にとって苦痛になってしまうこともある気がします。
自分がそうでした・・・。
最近特に実感するのは、楽しいのは何より絵本をはさんで
会話をすることだなーということです。
同じ絵本を繰り返し読むことは親にとっては「また?!」と思うこともありますが
同じ反応をするということはないので、反応の方を楽しむようになってからは
読み聞かせタイムをより楽しめるようになってきました。
だからこそよりたくさんの反応がひきだせるようにするには
年齢に適した絵本を読むことが大事だなーと感じています。
きっちり決めているわけではないですが、だいたい1日2~4冊を、お風呂前・寝る前などに読むことが多いです。
現在2歳半の娘の絵本への反応を記録しておきたいと思います。
◆気持ちや状況を推察するようになった
登場人物(動物)の表情やポーズを見て、
「○○なのかなぁ」など、推察する反応がみられるようになりました。
特に「くろくんとふしぎなともだち」を読むときは
くれよんたちが表情豊かなので、その表情から気持ちを読み取っているようです。
くろくんとふしぎなともだち (絵本・こどものひろば)
◆言葉と絵の対応
言葉で語られる内容が絵に描かれていないと不自然に感じるようで
「○○はどこ?」と何回も確認しています。
今は言葉と絵が1対1で対応している絵本が向いていて
絵に対して言葉が多い絵本は、もうちょっと大きくなってからでよさそうです。
逆に、言葉のないページにも不自然さを感じるようで、
「ぼく、にげちゃうよ」で言葉のないページを開いてなにも言わないと
「言って」とリクエストしています。
ぼくにげちゃうよ (海外秀作絵本)
◆1人で読んでいることがある
2-3か月前からか、絵本を開いて物語口調で読んでいる真似をしていることがあります。
「~ですが、」とか「けれども」など、文語体の言葉をはさんでいるので
リズムとして身についているのだなーと思います。
この姿はなかなかほほえましくてかわいいです。
正確に覚えているわけではないですが断片的にはあっていることもあり
お気に入りのものは私よりもよく覚えていることがあります。
◆見開きページ
見開きのページのそれぞれに1場面が描かれる場合がありますが
それで見開きに同じ人物(動物)が描かれていると
時間の流れであるとはまだとらえられないのか、二人いると思うようです。
個人的には見開きは2ページで1場面にしてほしいなーと思います・・
◆見立て
これは半年ほど前からですが、絵本に限らず絵でもなんでも
大きいもの・小さいもののセットを見ると「ママと自分」と見立てていることが多いです。
絵本でも親子のことを描いた絵本にはより共感を示していて
「ちょっとだけ」「ぎゅっ」「おでかけのまえに」「しろねこしろちゃん」などは大好きです。
何かの場面で悲しい表情などを見ると「ママがいないのかなー」などと
言っていることも多いです。
ちょっとだけ (こどものとも絵本)
ぎゅっ
おでかけのまえに (福音館の幼児絵本)
しろねこしろちゃん (幼児絵本シリーズ)
娘の場合はちょっと早い時期から物語絵本をよみすぎたなーとの反省もあります。
(無理に読んだわけではないけど家においてあったのでリクエストされ、読んでいた)
読んで弊害があるのかはわかりませんが、あまりにも反応がないのに
長いお話を何度も読んだりするのは親の方にとって苦痛になってしまうこともある気がします。
自分がそうでした・・・。
最近特に実感するのは、楽しいのは何より絵本をはさんで
会話をすることだなーということです。
同じ絵本を繰り返し読むことは親にとっては「また?!」と思うこともありますが
同じ反応をするということはないので、反応の方を楽しむようになってからは
読み聞かせタイムをより楽しめるようになってきました。
だからこそよりたくさんの反応がひきだせるようにするには
年齢に適した絵本を読むことが大事だなーと感じています。
2013年5月18日土曜日
絵本の歴史について
絵本の歴史について、かなりおおまかにですが、読んだことなどをまとめます。
・ホーンブック(→ のちにバトルドアへ)
16世紀前半イギリスにて、子供の教則本として使用された、羽子板のような形のもの。
のちに挿絵もつけられ、バトルドアと呼ばれるようになった。
・チャップブック
17世紀中ごろ-19世紀 はじめはロンドンの出版業者兼書籍商が安い値段で作成し、
行商人の積み荷に入れられ、広く普及した。
民話、歴史物語、ナーサリーライムなど、幅広い内容のものが収録され、子どもの手に渡った。
①1658 世界図絵 コメニウス
絵のはいった教科書のようなもので、ストーリーはない。
②『かわいいポケットブック』(1744)と『くつふたつちゃん物語』(1765)
初めての子ども向けの本、お話。
ジョン・ニューベリーがロンドンにて出版。
③19世紀後半 ランドルフ・コルデコットの絵本
絵と言葉が補完しあい物語をつくっており、初の近代絵本といわれる。
①1860年代 イギリス
彫刻師で印刷家のエドモンド・エヴァンズが多色刷り木口木版を採用し、
ランドルフ・コルデコットや、ケイト・グリーナウェイ、ウォルター・クレインなどの絵本を出版。
当時の絵本はトイ・ブックと呼ばれた。
②1930年代 アメリカ
ガアグ、ベーメルマンスなど、戦時中にアメリカに逃れた移民による作品が多い
③1960年代
ブリッグス、センダック、キーツなど、個性的な絵本作家の登場
・印刷技術の発達
多色刷りができるようになり、絵の表現の可能性が広がった
※印刷技術の変遷
木版画→銅版画→エッチング→銅板印刷→写真製版→オフセット印刷
・子ども観の変遷
18世紀 教育・しつけを重視
19世紀 子ども時代の遊びの重要性が認められた
・グラフィック・アートの発達
絵本作家はその専門家ではなく、グラフィック・アーティストであることが多かった。
ウォルター・クレインはアートアンドクラフツ運動に賛同し、
装飾的芸術の表現方法のひとつとして絵本を採用したといわれている。
◆絵本の原型となったもの
・ホーンブック(→ のちにバトルドアへ)
16世紀前半イギリスにて、子供の教則本として使用された、羽子板のような形のもの。
のちに挿絵もつけられ、バトルドアと呼ばれるようになった。
・チャップブック
17世紀中ごろ-19世紀 はじめはロンドンの出版業者兼書籍商が安い値段で作成し、
行商人の積み荷に入れられ、広く普及した。
民話、歴史物語、ナーサリーライムなど、幅広い内容のものが収録され、子どもの手に渡った。
◆絵本の登場
①1658 世界図絵 コメニウス
絵のはいった教科書のようなもので、ストーリーはない。
②『かわいいポケットブック』(1744)と『くつふたつちゃん物語』(1765)
初めての子ども向けの本、お話。
ジョン・ニューベリーがロンドンにて出版。
③19世紀後半 ランドルフ・コルデコットの絵本
絵と言葉が補完しあい物語をつくっており、初の近代絵本といわれる。
◆絵本の黄金期
①1860年代 イギリス
彫刻師で印刷家のエドモンド・エヴァンズが多色刷り木口木版を採用し、
ランドルフ・コルデコットや、ケイト・グリーナウェイ、ウォルター・クレインなどの絵本を出版。
当時の絵本はトイ・ブックと呼ばれた。
②1930年代 アメリカ
ガアグ、ベーメルマンスなど、戦時中にアメリカに逃れた移民による作品が多い
③1960年代
ブリッグス、センダック、キーツなど、個性的な絵本作家の登場
◆絵本の発達の要因
・印刷技術の発達
多色刷りができるようになり、絵の表現の可能性が広がった
※印刷技術の変遷
木版画→銅版画→エッチング→銅板印刷→写真製版→オフセット印刷
・子ども観の変遷
18世紀 教育・しつけを重視
19世紀 子ども時代の遊びの重要性が認められた
・グラフィック・アートの発達
絵本作家はその専門家ではなく、グラフィック・アーティストであることが多かった。
ウォルター・クレインはアートアンドクラフツ運動に賛同し、
装飾的芸術の表現方法のひとつとして絵本を採用したといわれている。
2013年5月12日日曜日
マイクロフィルムの劣化について
職場でマイクロフィルムの劣化がおこり酢酸臭がしています。
対策などについて調べてみました。
まずは①調査 をし、②各条件に応じて対策を講じる という流れです。
①調査
◆フィルムの種類・素材
フィルムがマスターフィルムかその複製かどうか(※1)、TACベースかPETベースか(※2)などについて確認。それにより取扱いがかわってくる。
※1 最初に作成したフィルムがマスターフィルム(ネガ)で、そちらは保存用として閲覧用にはしないことがのぞましい。
閲覧用には別途複製したものを使用する。複製は、ネガでもポジでも可能。
※2 マイクロフィルムの支持体には、TAC(セルロースエステル)とPET(ポリエステル)がある。
TACベースのものが酸化しやすいことがわかり、1980年代ごろからはPETベースのものへ切り替えが始まっている。
TACは光を通し、手でちぎれる。 →TACは光を通さず、黒く見えます。(2013.6.4修正)
◆劣化の状態
酢酸臭がないかどうか。
べたつき/マイクロスコピックブレミッシュ(黄色いしみ)/カビ/傷・やぶれなどがないかどうか、目視等で確認。
◆酸化の度合い
・パッシブインジケータ
・ADストリップ
これにより酸化の度合いがわかり、それに応じて対策を考えることができる。
また酸化のひどいものとそうでないものは隔離して保存することがのぞましい。
◆包材
金属や酸性紙であれば交換がのぞましい。
酸性紙かどうかは、中性紙チェックペンで確認できる。
◆温湿度
データロガー等により継続的に確認をする。
マイクロフィルム保存のための温湿度については、JIS Z 6009 銀−ゼラチンマイクロフィルムの処理及び保存方法 やISO 18911-2000 (現像処理済み安全写真フィルム-保存方法)を参照。
温度は20度以下がのぞましく、長時間にわたり25度を超えてはならない。
TACとPETのフィルムを同一の場所で保存する場合、永久保存での推奨される相対湿度は30%。酢酸臭が出始める期間は温度24℃、相対湿度50%で約30年。
②対策
劣化がひどいものは緊急対策を検討。またそれ以外ものも、日々のメンテナンスにより状態を改善する。
◆緊急対策
自館での重要度や他館での所蔵状況なども勘案し、対策を検討する。
・デジタル化やPETベースのものの再作成
・廃棄
◆その他の対策・メンテナンス
・調湿剤、乾燥剤、吸着剤等の使用
・キャビネットの清掃・新調。調湿キャビネットの使用。
・TACベースとPETベースのフィルムの分離
・包材の交換
・TACベースのフィルムの酢酸放散(まき直し)
・取扱い方法の改善。素手で触らないなど。
<参考資料>
・赤迫照子. 広島大学図書館におけるマイクロ資料劣化対策 : 原因と対処 <短報>. 広島大学総合博物館研究報告 . 2009, (1), p.39-44. http://ir.lib.hiroshima-u.ac.jp/00028719, (参照 2013-5-11).
・中尾康朗. 九州大学附属図書館所蔵マイクロ資料の劣化状況調査と分析 : 中央図書館における調査と長期保存のための考察. 九州大学附属図書館研究開発室年報. 2010-03-31, 2009/2010, p.29-38. http://hdl.handle.net/2324/18322, (参照 2013-5-11).
・田﨑淳子. “マイクロフィルムの保存対策-まずはサンプル調査から-”. 日本図書館協会. http://www.jla.or.jp/portals/0/html/hozon/hozonkanri/seminar20080801resume.pdf, (参照 2013-5-11).
・国立国会図書館. “マイクロフィルム保存のための基礎知識”. 国立国会図書館. http://www.ndl.go.jp/jp/aboutus/data/pdf/microfilm2012.pdf, (参照 2013-5-11).
・安江明夫. “マイクロ資料の劣化-原因と対処 ”. 東京大学東洋文化研究所図書室. http://www.ioc.u-tokyo.ac.jp/~library/kouenkai/report/3_yasue.pdf, (参照 2013-5-11).
対策などについて調べてみました。
まずは①調査 をし、②各条件に応じて対策を講じる という流れです。
①調査
◆フィルムの種類・素材
フィルムがマスターフィルムかその複製かどうか(※1)、TACベースかPETベースか(※2)などについて確認。それにより取扱いがかわってくる。
※1 最初に作成したフィルムがマスターフィルム(ネガ)で、そちらは保存用として閲覧用にはしないことがのぞましい。
閲覧用には別途複製したものを使用する。複製は、ネガでもポジでも可能。
※2 マイクロフィルムの支持体には、TAC(セルロースエステル)とPET(ポリエステル)がある。
TACベースのものが酸化しやすいことがわかり、1980年代ごろからはPETベースのものへ切り替えが始まっている。
TACは光を
◆劣化の状態
酢酸臭がないかどうか。
べたつき/マイクロスコピックブレミッシュ(黄色いしみ)/カビ/傷・やぶれなどがないかどうか、目視等で確認。
◆酸化の度合い
・パッシブインジケータ
・ADストリップ
これにより酸化の度合いがわかり、それに応じて対策を考えることができる。
また酸化のひどいものとそうでないものは隔離して保存することがのぞましい。
◆包材
金属や酸性紙であれば交換がのぞましい。
酸性紙かどうかは、中性紙チェックペンで確認できる。
◆温湿度
データロガー等により継続的に確認をする。
マイクロフィルム保存のための温湿度については、JIS Z 6009 銀−ゼラチンマイクロフィルムの処理及び保存方法 やISO 18911-2000 (現像処理済み安全写真フィルム-保存方法)を参照。
温度は20度以下がのぞましく、長時間にわたり25度を超えてはならない。
TACとPETのフィルムを同一の場所で保存する場合、永久保存での推奨される相対湿度は30%。酢酸臭が出始める期間は温度24℃、相対湿度50%で約30年。
②対策
劣化がひどいものは緊急対策を検討。またそれ以外ものも、日々のメンテナンスにより状態を改善する。
◆緊急対策
自館での重要度や他館での所蔵状況なども勘案し、対策を検討する。
・デジタル化やPETベースのものの再作成
・廃棄
◆その他の対策・メンテナンス
・調湿剤、乾燥剤、吸着剤等の使用
・キャビネットの清掃・新調。調湿キャビネットの使用。
・TACベースとPETベースのフィルムの分離
・包材の交換
・TACベースのフィルムの酢酸放散(まき直し)
・取扱い方法の改善。素手で触らないなど。
<参考資料>
・赤迫照子. 広島大学図書館におけるマイクロ資料劣化対策 : 原因と対処 <短報>. 広島大学総合博物館研究報告 . 2009, (1), p.39-44. http://ir.lib.hiroshima-u.ac.jp/00028719, (参照 2013-5-11).
・中尾康朗. 九州大学附属図書館所蔵マイクロ資料の劣化状況調査と分析 : 中央図書館における調査と長期保存のための考察. 九州大学附属図書館研究開発室年報. 2010-03-31, 2009/2010, p.29-38. http://hdl.handle.net/2324/18322, (参照 2013-5-11).
・田﨑淳子. “マイクロフィルムの保存対策-まずはサンプル調査から-”. 日本図書館協会. http://www.jla.or.jp/portals/0/html/hozon/hozonkanri/seminar20080801resume.pdf, (参照 2013-5-11).
・国立国会図書館. “マイクロフィルム保存のための基礎知識”. 国立国会図書館. http://www.ndl.go.jp/jp/aboutus/data/pdf/microfilm2012.pdf, (参照 2013-5-11).
・安江明夫. “マイクロ資料の劣化-原因と対処 ”. 東京大学東洋文化研究所図書室. http://www.ioc.u-tokyo.ac.jp/~library/kouenkai/report/3_yasue.pdf, (参照 2013-5-11).
2013年4月26日金曜日
神戸で絵本を楽しめる場所
これまでに見つけて行ってみた、神戸で絵本を楽しめる場所について紹介します。
◆Seer 本のひろば
JR住吉の駅直結のビルSEERの5階にあります。
こぢんまりとしていますが絵本~児童書が数多くあり、貸出も可能です。
定期的にお話会も開催されています。
◆神戸ゆかりの美術館
入口付近のKIDSスペースには、
元永定正さんなど、神戸ゆかりの作家さんの作品を中心に絵本がおいてあり、
自由に読むことができます。
◆ひつじ書房
JR摂津本山駅の近くにある児童書専門店です。
絵本についてのオリジナルの冊子も販売されています。
◆トンカ書店
神戸元町のトアウエストにある、古本屋さんです。
絵本も数多く並べられていました。
絵本作家について学べる講座も開かれています。
◆ハニカムブックス
神戸元町商店街のはずれにある、古本屋さんです。
本・絵本のほか、かわいい雑貨などもあります。
月に1度、絵本をおすすめしあう会が開かれているようです。
◆Seer 本のひろば
JR住吉の駅直結のビルSEERの5階にあります。
こぢんまりとしていますが絵本~児童書が数多くあり、貸出も可能です。
定期的にお話会も開催されています。
◆神戸ゆかりの美術館
入口付近のKIDSスペースには、
元永定正さんなど、神戸ゆかりの作家さんの作品を中心に絵本がおいてあり、
自由に読むことができます。
◆ひつじ書房
JR摂津本山駅の近くにある児童書専門店です。
絵本についてのオリジナルの冊子も販売されています。
◆トンカ書店
神戸元町のトアウエストにある、古本屋さんです。
絵本も数多く並べられていました。
絵本作家について学べる講座も開かれています。
◆ハニカムブックス
神戸元町商店街のはずれにある、古本屋さんです。
本・絵本のほか、かわいい雑貨などもあります。
月に1度、絵本をおすすめしあう会が開かれているようです。
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本を読むときの「内声化」(黙読時に頭の中で音読すること)が、文章の内容理解にどう影響するか調査した論文を読みました。 森田 愛子, 高橋麻衣子. 教育心理学研究. 2019, Vol.67 No. 1, p. 12-25. https://doi.org/10.592...
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この本を読みました。 『 ぼくが安曇野ちひろ美術館を作ったわけ 』松本猛著、講談社、2002 安曇野ちひろ美術館とは、世界で初めての絵本美術館として東京にちひろ美術館ができた20年後に新たに設立された、もうひとつのちひろ美術館です。 ※ ちひろ美術館 この本は、美術館の視...