Exploring books for children: words and pictures(Open UniversityのMOOC)
全8回分の内容にわかれており、登録をすれば、進捗管理や小テストなどもできるようです。私は登録しようとしたらなぜかエラーになり内容を読むだけにしましたが。。↓の構成でした。
- Words and pictures in children’s fiction through the ages
- Making sense of pictures
- Combining words and pictures
- Book design and intended readership
- Illustration
- Illustration as interpretation: the example of Alice
- Analysing images: composition and symbolism
- An authorstrator comments on his craft
この講義では、絵本において言葉(テキスト)では語りきれないことを絵が語っているということについて、色々な具体例とともに説明がなされていました。
たとえばピーターラビットの絵本で、母親が子供たちに、マクレガーさんの庭にはに行かないように注意するシーン。
テキストはそのことを単に書いているだけですが、絵では4匹の子どものうちピーターラビットだけ母親に背を向けて話をきいておらず、いかにももう出発したそうな顔をして、読み手を次のページへ促していることが紹介されていました。
絵を見ると確かにそうで、このあたりのことが文字でも書いてあったら過剰な感じもするし、こうやって絵本では絵とテキストが補完しあってるんだなぁと思いました。
また、1955年からはCILIPによってKate Greeaway賞がおくられるようになっている通り、絵本における絵の重要性が次第に認識されるようになっているそうです。絵本において、テキスト同様、絵もおはなしを物語る役割を持つという理由で、絵本画家のことを指した‘authorstrator’という言葉があるそうです。
アンソニー・ブラウンの絵本のイラストから、2つの場面がどんな感情や雰囲気を示しているのかを考える事例もありました。色味、キャラクター同士の配置、テーブルの上にあるもの等がそれぞれのシーンの雰囲気を強調していると考えられることが紹介されていました。
アンソニー・ブラウンさんはインタビューで、絵本に盛り込めるテキストは分量上限られているが、絵はさまざまなこと(登場人物の感情や、次に何が起きるか、過去に何が起きたか等)を語ることができ、そういった手法を次第に使うようになったと語られていました。
学術的な研究で提唱された絵本の絵の表現の読み解き方(配置、構図、使用されている色や線の特徴などから読み解く)、も紹介されていましたが、同時に、こういった分析は絶対というわけではなく懐疑的な立場の人もいることなども示されていました。
わかったことをまとめると
- 絵本の絵には、テキストを補完する大きな役割がある
- 絵は、ある特徴(色、モチーフ、構図など)をもつことによって特定の印象を人に与えやすい
- その性質を使って、絵本の中の、登場人物の感情やその場面の状況がうまく表されていることがある
ということです。
日々絵本を読むときに、こういう知識ありきで絵を分析的にみたらつかれそうだし、著者の意図を決めつけることもできないとは思いますが、人の心をつかむ絵本は、そうやって絵の力を生かして物語を効果的に伝えているゆえであることも多いんだろうなと、興味深く感じました。
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