2019年9月7日土曜日

読み聞かせの影響に関する文献を調べてみた

娘はもうすぐ9歳、今も毎日ではないけど絵本を一緒に読んでます。
何百ページもあるハードカバーもガンガン読めるのに絵本を読んでという姿を見ると、やっぱり私とのコミュニケーションの時間の意味が大きいのかなぁと思います。
一方、会話中に本からの知識をぱっと教えてくれるあたり、本が好きなだけじゃなくちゃんと定着してるんだなぁと思います。(親バカ)

読み聞かせは色々な影響(言葉の力がつく、本好きになるなど)を与えるという話はよく耳にし、うたがう人もあまりいないと思いますが、どちらかというと自分の大学図書館員としての興味から、研究ではどれくらい明らかになってきているのだろうと文献をいくつか読んでみました。

読書への意欲と読書の意味づけ : 読書量と読書に対する評価

  • 中学・高校・大学生・大学院生合計281名を対象にした108項目のアンケート。
  • 分析の結果、1ヶ月の読書量が多い回答者・読書が好きな回答者の共通要素の傾向として、家庭の蔵書量や読み聞かせをしてもらった経験、本を買ってもらった経験、親が読書好き、図書館につれていってもらった経験などの家庭環境が挙げられることが分かった。

絵本の読み聞かせと親子のコミュニケーション

  • 幼稚園で読み聞かせボランティアをしている母親9名に、家庭での読み聞かせについてインタビューを実施
  • 多くは0歳児で読み聞かせを開始
  • 子供が絵本の内容を覚えたり兄弟に読んであげるなどの変化のほか、親が子供の変化に気づける、共有するものができて普段の会話などがわかりやすくなる等親子関係における変化があったと回答があった

子どもの言葉を育む読み聞かせの調査研究 

  • 熊本市内の小学生386名にアンケート
  • 0歳児から継続して読み聞かせをしている方が、それ以外の場合より、学業成績が良い傾向にあった
  • 0歳児で読み聞かせを始めた方が、それ以外の場合より、ひとりで本を読み始めるのが早かった
  • 0歳児で読み聞かせを始めた方が、それ以外の場合より、小学校時点での読書好きが多かった

幼児の心情理解に及ぼす絵本の読み聞かせの効果

  • 保育園年長児40名のうち半分に3冊の絵本を2回読み、読んだ子どもと読まない子どもで心情の理解度をはかった(状況を聞いて、そのときの感情に合った表情を描いた絵を選ぶ)。
  • 読んだ子どものほうが理解度が向上するという結果が得られた。

児童のストーリー理解に及ぼす読み聞かせの効果

  • 学校での読み聞かせを念頭にした実験(2年生と5年生、計167名。)
  • 同じ絵本について、読み聞かせをする場合と黙読する場合で、理解の度合いをテストで確認。
  • 結果として、読み聞かせが、黙読に比べて理解促進に効果がある傾向があった(先行研究では2-3年生のみだったが、今回の実験では5年生も)

(これがみんなにあてはまるかというと当然個々の子どもによって違うのでしょうが)読み聞かせによって、将来の読書量が増える、親子のコミュニケーションがとれる、読書好きになる、心情の理解度が高まる、ストーリーの理解度が高まるなどの傾向がそれぞれ結果としてみられていたようです。いろいろある研究のうちほんの一端をランダムに読んだだけではありますが、改めてやっぱりそうなんだと確認できました。


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